検診で引っかかり、大腸がんと言われました。

健康なときは、ボランティアをやったり、地域の役員を買って出たり、自分よりも他人を優先してきて、心の広い人と思われていたのですが、病気になって、人の言動がいちいち気になったり、健康な人を疎ましく感じている自分がいます。

本当の自分はそんな人間だったのだと思うと、嫌になります。

どうすれば良いのでしょうか?

 

マダム正面

 

回答者 藤岡典代(ふじおか・ふみよ)先生

がんのセカンドオピニオンとして人気の高い藤岡医院で、薬剤師・心理カウンセラーとして患者を心理面から支えてきた。昨年、自身に肺がんが見つかり、患者の心理をより深く理解できるようになり、その実感を元に回答いただいています。

 

 

あなただけではありません。多くの方が同じように悩みます

 

病気になってマイナス感情が次々に湧いて生きて、

自分がこんな性格だったのかと悩んでおられる。

 

あなたのような悩みは、じつは良くあることなのです。

 

健康なときには社会貢献していたり、家庭人としてもそこそこやれてきて、

そこそこ自分にも満足してきたといった「そこそこ感」のある方が、

病気になったとたん、自分はこんな人間だったの? というくらい、

健康でいる人を羨ましく感じたり、自分に掛けられる言葉が気になってしまうということがよくあるものです。

 

イメージ写真

 

じつは、私自身もがんを告知されてすぐの時期は、「元気そうじゃない」と掛けられる言葉が結構つらかったんですね。

 

この人、本当に私のことを心配して言っているのかと疑ったり、「元気そうにしているのよ、本当はきついのに」と心の中で叫んでいました。

 

でも、これは相手のせいじゃないんですね。

自分は相手に傷つけられていると思っているのですが、じつは自分で勝手に傷ついているだけなのです。

 

良い人ががんになりやすい

 

人は災害に遭ったり、重い病気になったりすると、相手の思いやりの言葉ですら、まっすぐに受け取れなくなります。

すると、そういうふうに考えてしまう自分がいやだという状態に陥ったりします。中には、完全に人のせいにしてしまう人もいますけれど。

 

負の感情に押しつぶされそうになっているあなたは、とても良い人で、じつは、がん患者さんになる方はこういう方が多いのです。

こういう方は、概ね自分の感情や考え方を優先せずに人に合わせてしまうタイプで、つねに自分中心ではなくて、調和を図ろうとします。我慢をする人とも言えます。

 

感情を交えずにありのまま受け止める

 

そんなあなたが負の感情から解放されるには、起きている出来事をそのまま受け止めることです。

 

例えば、自分の大好きなテニスを目の前で皆がしているとします。

本当だったら自分もそこにいて、楽しくプレーをしているはずなのに、病気になったためにできない。

なんだか皆が病気の自分に当てこすりをしているように見えてしまう。そんなふうに感じる自分が嫌だ、となるところを次のようにするのです。

 

私が大好きだったテニスを皆がしている。

本当だったら私もその中にいて、みんなとプレーをして楽しんでいるはず。

とても残念に思っている私がいる。

このように、感情をいっさい交えずに事実だけを受け止めてみてください。

 

悲しんでいる自分、

不安になっている自分、

怒っている自分。

 

その状況だけを俯瞰するのです。

この時大切なのは、否定も肯定もしないこと。

マインドフルに今この瞬間の自分に注視するこのエクソサイズは、いつでも実践可能です。

 

 

藤岡靖也+藤岡典代著『最期の晩餐~がん治癒へのターニングポイント』

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