「ボクは書店を狙わない」

 

先日、俳優の神木優くんがうちの事務所にやってきた時の話。

 

「ボクは最初の本を出す時には書店は狙わないでしょう。
だって、そもそも無理ですから。
(売れた実績のない人間の本を)置いてくれるはずがないですよね。
それよりも、作ったあと、その本をどうするかじゃないですかね。

ボクならまず2000冊の売り先のあたりをつけ、
その上で出版社に持ち込みます。
2000は不可能な数字ではない。いや、できると思うんですよね。」

 

神木優くん。

 

本をまだ1冊も出したことがなく、
本気で出そうと考えていない段階で、
これだけイメージできる人はそういません。

 

俳優にしておくのはもったいない〜
もっとも、私は彼の、ソロ公演を自ら企画し、次々と実現させていく力と勇気、
それから、即興──観客7,8人がそれぞれに出したキーワードをその場で見て、
物語を展開させていく力、頭の回転の速さに脱帽しているわけですが。

 

 

こと出版となると想像力が働かなくなる多くの人々

 

ふつう処女出版の場合、著者は「1万部売れるといいな」などと言います。
編集者に細かくイチャモンをつけられてやっと世に出た本ですから、
気持ちはわかります。

でも、
「全国に大型書店が何店舗あるからそこにウン十冊ずつ置くと、行くよね」
というところまで考えて数字を口にする人はいませんでした。

 

 

彼の話の中に2000冊とありましたが、なかなか良い数字です。
定価付けにもよりますが、2000という数字が具体的に見えてくれば、
中堅どころの出版社なら無碍に断ったりはしないでしょう。

 

書店だけでは売りさばけない時代に!

 

それから、本は、作れば書店に置いてくれる、置けば売れるもの
という時代はとっくに過ぎ去ってしまいました。
「うちが本を置いたとしても、客を引っ張ってくるのはお宅(出版社)ですよ」
と、書店員さんが悪気もなくおっしゃる時代です。

 

 

私の会社も書店のほか、アマゾンやオンラインショップでも販売していますが、
さらに、講演会、サイン会、著者のネットワークでの販売……
と、販売ルートの開拓が不可欠の時代となってきました。

 

あれ、本の内容は?

それは良いに決まっていることが前提です。

 

 

ということで、
今日はこのへんで失礼いたします。

(良本和惠)