悩むというより、悩み抜く

 

書籍づくりの中で、いちばん悩むのは、
やっぱりタイトルを決めるとき。

悩むというより、悩み抜くといったほうがいいくらいです。

 

・著者の伝えたいこと

・読者に知ってほしいこと

・この本が読者にどれだけ役に立つか

・読者の世界を広げることになるか

・よく似た本との差別化はどんなところにあるか

 

 

などなどを盛り込もうとして、うまくいかないことも多々。

 

寝ても覚めても、タイトル、タイトル

 

多くのファンが付いている著者ならまだしも、
これから売りだそうとする著者の場合、
タイトルひとつで読んでみようかどうか決まると思うと、
もう寝ても覚めても、タイトル、タイトル。

 

タイトルワークは何十冊何百冊作ろうが、
変わることのない本づくりの関所といえます。

 

変化した、ネットの時代のタイトルワーク

 

ところが、このタイトルワーク、
ネットが流行りだした頃から、変化したと言われます。

コンピュータ検索の普及によって、検索ワードを意識するようになったのです。

 

つまり、キーワードをいかにタイトルに盛り込むかに
主眼が置かれることになったのです。

 

 

結果的に、具体的、説明的なタイトルが多くなり、
感覚的なタイトルは少なくなったはずです。
(小説など文芸作品は別です)

 

わが社の場合の悪戦苦闘

 

例えば、うちの本に、深澤大輝さんの

『呼吸が決め手!
素材のうまみがあふれ出す ふだん料理革命』

という長いタイトルがあります。

 

ふだん料理革命(深澤大輝)

 

この本のはずせないキーワードとして、

 

呼吸←─料理と呼吸を結びつけたオリジナリティに富んだ内容です

素材のうまみ←─調味料に頼る料理から素材のもち味を引き出す料理への転換を提案

ふだん料理←─日常の料理のアレンジのコツを提案しています

 

が上げられました。これだけで13文字です。

 

 

ある方からは、書店で目を引きたいなら4文字にせよと言われましたが、

すると、「呼吸料理」となってしまいます。

面白いですが、実際に誰が手に取るのかということで、ボツ。

 

というわけで、この本のタイトルには相当悩みました。
ところが、いいタイトルなのか、どうかは、
悲しいかな、それが売れたかどうか、なんですね。

 

売れれば、多くの人に受け入れられたということで、
いいタイトルとなります。
そして、だれも文句を言わなくなります。

 

 

この本も、いいタイトルなのかどうかは、まだ見えてきません。
でも、発刊から半年以上経った今でも、少しずつ売れ続けています。

 

やがて、「いいタイトルだったよ」と言われるまで、
大事に売っていきたいと思います。

 

(良本和惠)