作家が書いたらそれを印刷すれば本ができるんじゃないの?
編集者って、何やっているの?

 

業界以外の多くの方がそう思っているようです。

 

 

本当はそれでいいのです、編集者は黒衣(くろこ)的職業ですから。
むしろ黒衣であることを誇りにしているのが編集者です。

 

 

特に、書籍の編集はとても地味です。
ドラマなどで、編集者がおしゃれなバーで著者と楽しくお酒を飲んだりしていますが、
それはほんの一面で、そんなにかっこいいものではありません。

 

 

 

忙しい人が相手ですから、
合せは、飛行場、駅のそばの喫茶店ということもしばしば。

 

ゴールデンウィークなどは集中して執筆してもらうにはうってつけのため、
こちらも休日返上で事務所に待機したり、うかがったり。
「夜討ち朝駆け」の精神で生きてます。

 

 
さて、黒衣である書籍編集者がどんなことをやっているか、
主な仕事を挙げてみましょう。

 

【企画書の作成】

「この著者のこんな本を出したい」と思ったら、
構成・内容・表現の方向性、
出すことの社会的意味、対象読者の分析、
売れ筋になる可能性などを書いて編集会議に諮る。

 

【執筆の応援、補助】

企画が通り、著者のOKが出たら、
打合せを重ねて企画をさらに練り上げ、執筆に取り掛かってもらう。
締切を決め、原稿を書き上げるまで、応援団に徹する。
原稿内容に対し、最初の読者として感想や意見を伝える。

 

【原稿のチェック、修正依頼】

原稿が上がったら、内容の裏取りをおこなったり、
通じにくい表現の修正をお願いしたり、
構成を入れ替えたりする。
ときには編集者がリライティングも。

 

【本づくりの進行管理】

本づくりのおおよその設計ができたら、
カバー周りのデザインをおこなう装丁家、校正校閲をおこなう校正者などを選定・依頼、料金交渉、その他、DTPまで含めた進行管理をおこなう。
印刷会社には、束見本を依頼したり、見積もりを取ったりします。
原価計算も大事な仕事です。

 

【宣伝計画とその実務】

書評に載せてほしい媒体をさがしたり、広告やチラシの原稿を作ったり。
このあたりになると、営業さんとの共同作業が始まります。

 

 

 

こうしてみると、編集者とは、
原稿を本の形にして世に送り出すための何でも屋と言えそうです。

 

ある編集者は、給料を時給換算したらアルバイトより安いと言ってました。
でも、それが楽しいからやっているのが私たちなのです。
次回は、雑誌の編集者について書こうと思います。

 

(良本和惠)