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「じゅうはん、しゅったい」??


昨年は、このタイトルのテレビドラマが人気を博したようですね。

気になりながらも、じつは1回も観ることができませんでした。

(わが家にはテレビがないのです)

 

この呼び方、「じゅうはん、しゅったい」だったと聞いたときには、

「どうして?」と思ってしまいました。

 

この業界に30年以上身を置いてきて、 もちろん何十冊と重版の手続きをおこなってきていますが、

 一度もそんなふうに言ったこともないし、聞いたこともありません。

最初に入社したのは戦前からある出版社で、出版ルールを重んじる会社でしたが、そこでも聞いたことがありません。

 

では、なんて呼ぶのかというと、「じゅうはん、でき」でした。

 

調べてみると、本来は「しゅったい」なのだそうです。

ところが、業界内でそう呼ぶ風潮はずいぶん昔からない、ということです。

なので、ドラマでは、業界の現実とは違う言い方をしていたことになりますね。

 

ひとつ肩の荷が下りる

 

重版が決まったら、本を企画した者としては、 ひとつ肩の荷が下りた心地がしたものです。

というのも、本づくりには、著者をはじめ、編集スタッフ、デザイナーさんなどの外部スタッフのたいへんな労力を要します。

当然、印刷費も含め、お金がかかります。

 

そのあたりを考慮して、初版を売り切った時点で少しでも利益が出るように、部数と定価を設定します。

つまり、重版がかかるということは、初版を売り切るめどが立ち、採算ベースにのったということ。

みんながハッピーになったということで、ひとつ肩の荷が下りるわけです。

 

だから、重版が決まったときは、編集部内が「○○の本、じゅうはん、でき!!」と湧きたったものでした。

 

 

日本の死活問題

先ほど入ってきたばかりの重版(第二刷)

 

ロングセラーが少なくなった

 

ところが、この重版。昔とは様相が変わってきました。

昔は、しっかり作り込んだ良い本は、徐々に読者の支持を得ながら、何度も版を重ね、ロングで売れていったものですが、

今は、発売前から1,2カ月で勝負をかけるところが多いようです。

発売の時点ですでに3、4刷り決定ということも少なくありません。

(弊社=グッドブックスはまだ、そんなことをやったことがありません!)

 

で、発売1,2カ月で一気にピークに持ち込み、あとは徐々にフェードアウトしていく。

どうも、こんなパターンが多い気がします。

 

本づくりに足かけ3年

 

今回、色摩力夫先生の『日本の死活問題』が、おかげさまで重版出来となりました。

本書は、新聞広告など告知活動をしたものの、発売当初はおとなしい動きで、

徐々にブログやSNS、雑誌で紹介くださる方が出てこられ、人から人へとひろがっていき、

Amazonのランキング1位(外交、国際関係部門)となったのも、発売から3カ月後です。

 

 

奥付

重版すると、奥付に重版の発行日を記します

 

本書は、企画から発刊まで、著者の色摩先生とともに、あしかけ3年かけて作り上げました。

 

じつは、弊社が出す本は、だいたいが1年以上の制作期間をへています。

このくらいの時間と情熱をかけたのだから、ロングで動き続けてほしいと思います。

 

 

本づくりに手を抜かず、版を重ねてロングセラーを目指していく。

これがわが社の、時代の流れへのささやかな抵抗なのです。

 

なので、既刊本も、大事にしていきます。

いつ、注目されるか分かりませんからね!

 

(良本和惠)