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blog | 2016.12.08
キツネのフーくんの原画展、北鎌倉の葉祥明美術館に行ってきました。
絵本作家の葉祥明さんの美術館は、阿蘇と北鎌倉の2カ所にあります。
北鎌倉の美術館では今、児童文学絵本『キツネのフーくんと風の郵便屋さん』の原画展が開かれています。主人とふたり、東京から車を飛ばして行ってきました。
古都鎌倉にたたずむ洋館
北鎌倉といえば、鎌倉五山として知られる建長寺、円覚寺、浄智寺に、
あじさい寺として有名な明月院など歴史的に名高い寺社やレトロな食事処などが建ち並ぶ古都。町全体に静かな雰囲気が漂っています。
そんな古都の中に、雰囲気の違う洋館が1軒。それが葉祥明美術館です。
訪れたのは12月上旬。
美術館から歩いて数分のところに、紅葉の名所としても知られる円覚寺や明月院があり、
多くの観光客で賑わっていました。
2階建ての美術館は、詩人で画家の家族が住んでいる想定のデザインとなっていて、
ステキな書斎や子供部屋まであるんですよ。
熊本の地震で被災した原画が無傷で
『キツネのフーくんと風の郵便屋さん』は、
絵本作家の葉祥明さん(兄)と作家で阿蘇の美術館の館長をつとめる葉山祥鼎さん(弟)の
初の兄弟コラボ作品です。
葉山祥鼎さんが、阿蘇の美術館にやって来るキツネを見て物語を書き、
葉祥明さんが絵を描いています。
葉祥明さん(手前)と葉山祥鼎さん(奥)
私たちが関わらせていただいたのは、フーくんの物語をどう本の形にしていくかというところからで、ご兄弟との話し合いが始まりました。
その過程で、阿蘇の雄大な自然の中にある美術館にもおじゃまもし、
フーくんの物語のイメージを膨らませていきました。
そうして完成したのが、昨年の秋。
今年4月半ばに熊本で大地震が発生したとき、原画は阿蘇の美術館に展示されていました。
地震の影響で、美しい美術館が大きなダメージを受けました。
地震の数日前に阿蘇を訪れていた私は、言葉もありませんでした。
惨禍を乗り越えてきた原画が目の前にあります。
堀内館長から「建物はダメージを受けたけれども、原画は無傷だったんですよ」とうかがい、感慨もひとしお。
堀内館長さん
原画の一つ一つに制作過程での物語が
展示室には、物語の展開の順に原画が展示されています。
原画の一つ一つに、先生方と交わしたやりとりが思い出されます。
キツネのフーくんをどう描く?
フーくんが空中を飛ぶシーンでは、地上からどのくらいの高さを飛んでいるの?
風の郵便屋さんはどんな姿で、何に乗っている?
……。
それは、子供に帰ってフーくんと一緒に冒険の旅に出ているような時間でした。
『キツネのフーくんと風の郵便屋さん』は、
私たちが忘れかけた好奇心や勇気を思い出させてくれます。
©葉祥明『キツネのフーくんと風の郵便屋さん』より
(編集担当 良本和惠)
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- この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
- 書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。