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blog | 2018.08.02
深澤大輝さんプロデュースのレストラン、東京にオープン!~レシピダイニング@品川・戸越公園駅~
深澤大輝さん 撮影・村井明広
『ふだん料理革命』の著者である料理家の深澤大輝さんは、湘南、福島、秋田のレストランの監修をつとめ、成功に導いてきました。
そしてこのたび、東京に監修のレストランがオープンしたと聞きつけ、行ってきました。
(ちなみに私は本書の編集担当です)
RECIPE×BOOK+DININGがコンセプトの新感覚レストラン
東急大井町線の戸越公園駅から徒歩8分。品川区立戸越公園に面した静かな環境にレストランはありました。
店内にはカウンター席にイス席、ソファの席もあり、まるでこじゃれたバーです。
アンティークな家具は、オーナーさんがバリ島から輸入したのだそうです。
奥には壁一面に料理本。『ふだん料理革命』もあちこちに置かれています。(嬉しいな~)
このレストランのコンセプトは、RECIPE×BOOK+DINING
話題のレシピブックを参考に、深澤さんがコーディネートした料理を提供しているんです。
細部に宿る繊細な味~レモンチキンの香草焼き~
では、さっそくお料理をいただきます!
見た目がきれいですよね。深澤さんの料理は目で味わうことができるんです。
チキンの上に乗ったトマトが、おいし~い。生臭さもなく、火を入れたトマト特有の酸味もなく、上質な味です。
70度蒸しという調理法で、トマトの旨味を封じ込めているんだそうです。
メインのチキンの香草焼きは、鶏肉なのにとってもやわらかくでジューシーです。臭みは全くありません。
さっぱりとしたお肉に、ソースと玉ねぎのみじん切りが合わさって、口の中にいろんな香りが広がります。ここにも仕掛けがありそうですね。
プレートに載ったサラダも美味しくて、細部に神が宿っている!と言いたくなるような繊細なお料理でした。
素材の持ち味を引き出すための仕込みがスゴイ!
レモンチキンの香草焼きのおいしさの秘密を深澤さんに聞いてみました。
「鶏肉の下処理として50度洗いをしています。
タンパク質に火が入って肉が硬くなるのが60度です。
その手前の50度で生肉をもみ洗いするとアクが浮き出てきて、肉質が柔らかくなるんです。
その上でマリネ液につけるので味も入りやすい。
この一手間で安いお肉も安全に、しかもおいしく食べられるので、ご家庭でも是非やっていただきたいですね。」
「一晩マリネしたお肉をソテーし、パクチーとバジルをフードプロセッサーにかけて作ったソースをかけ、玉ねぎとトマトを載せれば出来上がりです。」
温度、大事なんですね!
さて、こちらはカレーのプレート。ゴーヤとエビの夏野菜カレーです。見た目からも疲れた胃を刺激してくれそうです。
カレーはさらっとしていますが、コクがあります。何だろう、この香り。日本の家庭で作るカレーとは全く違います。その秘密は??
「カレーリーフは日本産のしかも生を使っていて、これはとっても珍しいんです。あとは、香味油を使ってますし、エビの殻からだしも取ってます。」
冷凍で野菜がおいしくなる??
チキンソテーにも付いていたアスパラのポタージュ(冷製)。もしかして生のアスパラ? この味も気になりました。
暑さでほてった体を癒やしてくれそうで、おいしかったです。
トウモロコシ・玉ねぎ・にんじんの重ね煮と、冷凍のアスパラを豆乳と塩でのばしたものを混ぜ合わせているそうですが、これも、深澤さんに聞いてみましょう。
「50度洗いで酵素を活性化させ、一気に冷凍したアスパラを使っているんです。
火に掛けると野菜の栄養素が半減するのに対して、冷凍して解凍をすると、火を入れたと同じくらい柔らかくなる。
つまり、栄養価の高い野菜をいただけるのです。例えばトマトは冷凍をしてあげると、グルタミン酸が外に溶け出して旨味がすごく出てきてパスタに合うんですよ。
冷凍すると味が落ちるイメージがあるかも知れませんが、やり方によっては素材の味を引き出してくれるんです。」
さすが深澤さん、素材の味を引き出すための工夫が満載ですね!
自分のやりたかった食の方向性がここにあった~料理長の大竹さん~
深澤さんがコーディネートする料理を現場で作っているのが料理長の大竹淳子さんです。
基本的なレシピは深澤さんが考えるが、味のアレンジは任されているそうです。
ここで働くきっかけとなったのが書店で見つけた『ふだん料理革命』なんだそうです。
「サブタイトルの『呼吸が決め手! 素材の味があふれだす』にひかれたんです。読み進めてみると、自分が知りたかった料理のエッセンスが詰まっていました。
その後、深澤さんの料理教室で会い、4月にここで働かないかと誘われました。
じつは、ちょうどこの時期、銀座の割烹料理屋の女将とこちらの料理長の2つのオファーが同時期に舞い込んだのです。
迷わなかったかといえばウソになりますが、自分のやりたい食の方向性とぴったり合ったこちらに決めました。」
「ここでは朝から12時間働いても苦にならない。やりがいがあるから」と笑う大竹さん。
いちばん嬉しいのはお客さんの反応。素材を活かした料理に感動し、毎週来られるお客さんもいらっしゃるそうです。リピーターも徐々に増えているとか。がんばってください~
その月のレシピがおみやげに付いてくる
レシピダイニングでは毎月メニューが変わります。その時々に合った食材をメニューに取り入れたいとの思いから来ているそうです。
ちなみに、このメニューは8月19日(日)までで、24日(金)からは、「チキンのカレーのプレート」と「野菜をメインにしたプレート」を予定しているそうです。
もうひとつ嬉しいのは、その月の料理のレシピをおみやげにいただけるそうです。
自分で参考に作ることもできるし、あの味はどんな素材を使ってどんな風に作られているのかと、楽しむことができますね。
少々時間を掛けてでも絶対に満足できるレストラン、ぜひ足を運んでみてくださいね!
(グッドブックス 良本和惠)
【店舗情報】
RECIPE DINING(レシピダイニング)
品川区豊町2-3-12 1F TEL03-6426-2399 URL https://recipedining.jp/
深澤大輝著『ふだん料理革命』
詳しい内容は、こちらから>>>
- この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
- 書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。