booksグッドブックスの本

読み物・自己啓発
日本書紀〈4〉巨大古墳の時代 全現代語訳+解説
寺田惠子 著
庶民の暮らしの窮乏を目の当たりにし、税の免除を数年にわたり実行した第16代仁徳天皇から
「大悪天皇」とも「有徳天皇」とも記された第21代雄略天皇まで。
中国の歴史書に残る「倭の五王」の時代、
強力な統一王権を築いた天皇の事績と伝説の数々。
11月27日発売 予約受付中!
※下のボタンからは、グッドブックスオンラインショップに飛びます。
聖帝といわれた仁徳天皇、その意外な側面
仁徳天皇といえば「民のかまど」の物語が有名です。
高殿から眺めると、庶民の家々から立ち上るはずの炊煙(炊飯の際の煙)が出ていない。
そこで、税の免除を実施して、ついに炊煙が立ち上るようになったが、その後3年間無税を続けたというエピソードです。

©渡邉ちょんと 家々から立ち上る炊煙と、朽ち果てた宮殿
一方で、皇后の磐之媛(いわのひめ)の嫉妬に翻弄される仁徳天皇。
とうとう皇居を出ていった磐之媛を追いかけていく天皇の姿も描かれます。
なぜ磐之媛が側室を認めなかったのか、その理由とは?
史上初の兄弟による皇位継承
仁徳天皇以降は、磐之媛が生んだ皇子たちが次々と皇位を継承していきます。兄弟による皇位継承がここで初めておこなわれます。

※色で囲んだ第16代から第21代までが、本書収録の天皇の時代です
この代以降、皇位継承をめぐって、皇位の譲り合いやさまざまな事件が巻き起こります。
皇后や皇妃をめぐるエピソード
先ほど紹介した仁徳天皇の皇后・磐之媛のほかにも、
履中天皇の黒媛、允恭天皇の大中姫、雄略天皇の幡梭皇女など、皇后の様子に多くの伝説が収録。また皇妃との恋愛物語にも多くの記述があります。

©渡邉ちょんと 允恭天皇と衣通郎媛の恋
多くの不思議な話や伝説も
不思議な話や伝説も多く収録されています。
特に「大悪天皇」とも「有徳天皇」とも称された雄略天皇には、数多くの伝説に紙面が割かれています。

目次の一部

©渡邉ちょんと 雄略天皇と蜻蛉(日本があきづしまと言われるようになった伝説)
豊富な政治や歴史的な記述
仁徳天皇の免税政策や大規模な灌漑・土木工事、履中天皇の地方への国史(書記官)設置、允恭天皇の氏姓の正定などの政治の記述や、新羅、高句麗、呉(宋)からの朝貢、新羅との紛争、百済王弟の来朝、高句麗討伐など、動乱が続く朝鮮半島についても豊富に描かれています。
神話的物語から、歴史的記述や伝説が主要部分になる『日本書紀〈4〉巨大古墳の時代』をどうぞ手に取ってみてください。
※読みやすい2色刷。
※随所に水墨画による挿画。

寺田惠子 訳・著
『日本書紀 全現代語訳+解説〈4〉巨大古墳の時代』
四六判・並製、312ページ 、ISBN978-4-907461-50-8
定価:2,090円(本体1,900円+税)
11月27日発売 予約受付中!
著者略歴

寺田惠子(てらだ・けいこ)
古事記学会理事、元学習院女子大学講師。
東京都出身。豪州シドニー大学を卒業後、日本女子大学大学院博士課程単位修了。湘南短期大学教授、学習院女子大学、和洋女子大学講師、上代文学会理事などを歴任。専門は日本上代文学。古事記、日本書紀、万葉集の講義は社会人講座等でも人気を博す。著書に『日本書紀 全現代語訳+解説〈一〉神代─世界の始まり』、同シリーズ『〈二〉建国と神々の祭り』(以上、グッドブックス)、編著書に『日本神話事典』『万葉ことば事典』(共編著、大和書房)などがある。
『日本書紀〈4〉巨大古墳の時代』の主な内容
第十六代 仁徳(にんとく)天皇
[即位前紀]
・皇位の譲り合い
・皇太子の自死による即位
[聖帝伝承─理想の君民関係]
・炊煙と税の免除「民のかまどの物語」
・田畑を増やす大規模土木工事
[皇后磐之媛(いわのひめ)の物語]
・八田(やた)皇女の入内(じゅだい)を拒絶
・二度と戻らなかった磐之媛皇后
[八田皇女と雌鳥(めとり)皇女]
・雌鳥皇女と隼別(はやぶさわけ)皇子の物語
[さまざまな出来事]
・大蛇となった上毛野君の田道
・白鳥陵の霊威、氷室(ひむろ)
・数々の異変・妖気
第十七代 履中(りちゅう)天皇
・婚礼の夜の鈴の音
・住吉仲皇子の反逆
[磐余稚桜宮(いわれのわかさくらのみや)]
・落ちた桜の花びら ─ 宮号の由来
・宗像三女神の出現、イザナキの神の神託
第十八代 反正(はんぜい)天皇
・史上初の兄弟による皇位継承
・欠史八代を思わせる極めて短い記述
第十九代 允恭(いんぎょう)天皇
・妻の命がけの説得で即位
[氏(うじ)と姓(かばね)]
・盟神探湯(くかたち)で氏姓の混乱を正す
[天皇の恋、皇太子の恋]
・赤石(あかし)の真珠
・軽太子(かるのみこ)と軽皇女(かるのひめみこ)─許されざる恋
第二十代 安康(あんこう)天皇
・木梨軽太子(きなしのかるのみこ)の事件
・即位、大泊瀬皇子(次代、雄略天皇)のための求婚
第二十一代 雄略(ゆうりゃく)天皇
[即位前紀]
・眉輪王(まよわのおおきみ)の仇討ち
・市辺押磐皇子(いちのへのおしはのみこ)の謀殺
・「妹」(いも)の語の注記からわかる渡来人執筆者の存在
[大悪天皇、有徳天皇]
・伊勢の斎宮の神鏡事件
・葛城山の一言主神(ひとことぬしのかみ)と有徳天皇
[吉備、新羅と百済]
・新羅と高句麗の関係
・新羅征討
[さまざまな奇譚(きたん)と事件]
・不思議な赤い馬、大きな犬に変化(へんげ)した男
・百済国の救援と再興
・最古の浦島伝説
・異例の遺言「ただ百姓(おおみたから)を安らかに養いたい」
以下、続刊予定
〈5巻〉海外との往来ー緊張と需要 (清寧天皇~欽明天皇)
〈6巻〉日出ずる国 (敏達天皇~皇極天皇)
〈7巻〉大化の改新から壬申の乱 (孝徳天皇~天智天皇、天武天皇 上)
〈8巻〉律令国家へ (天武天皇 下~持統天皇)


