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blog | 2016.02.19
印刷と製本の間
本は、原稿を印刷に回したら出来上がる…
わけではありませんよね。
印刷会社で印刷された紙(本文はふつう16ページ分が1枚に刷られています)は、
製本会社に回されて、本という形になる。
つまり、出版社が作った原稿は、印刷会社と製本会社を経て、納品されてくる。
多くの出版社がそう思っているはずです。私もそう思ってました。
ところが、今回、その間に「折り屋さん」がいることが分かったのです!
なぜ分かったかというと、新刊の納品スケジュール調整をしている時に、
印刷会社の営業さんに、
「年度末から年度初めのこの時期、折り屋でストップする可能性がありましてね」
と言われ、
「えっ? 折り屋さんって? 製本会社が折るんじゃないんですか?」
となったわけです。
↑これは『セルフイメージ革命』の奥付ページです。
製本会社の仕事は、印刷された紙を、
折って、合わせて、固めて、包んで、カバー・オビを掛けて、
本に仕上げると思っていたのですが、
もちろん製本会社で折る場合もあるけれど、それは一部であって、
折り屋さんという下請け会社があったのです。ほとんどが零細企業のようです。
私たち出版社は、印刷から先の工程を印刷会社に一括して依頼するのがほとんどで、
印刷の現場には時々赴くけれど、その先の現場を知りません。
出版不況の影響下にあるのは出版社だけではなく、
印刷会社も製本会社も、折り屋さんも同様。
年々店を閉める会社が出てきて、その数が激減しています。
それでも、年度末には駆け込み出版が多く、
少なくなった印刷・折り・製本会社に殺到して、身動きができなくなるようなのです。
わが社の新刊『セルフイメージ革命』(山本トースネスみゆき著)は、
今週どうにか印刷を終え、スケジュールも、通常の1週間延びで納品日が決まりました。
その次の新刊『ボディイメージ革命』(上記著者)は、現在、猛ダッシュで制作中。
印刷は年度始めにかかります。
折り屋さんに、どうにか頑張ってくださいと
菓子折でも持って直接お頼みしたいところではありますが、
そうもいかず、うまくスケジュールが流れるよう、祈るのみです。
(書籍編集者・グッドブックス編集長 良本和惠)
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- この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
- 書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。