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blog | 2016.11.24

体に良くておいしい、塩の選び方

料理に絶対欠かせない調味料、塩。

考えてみれば醤油や味噌も、大豆・小麦といった食材に塩を加えて発酵・熟成させたものです。

「本当に必要な調味料を突き詰めると、塩だけになる」と料理研究家の深澤大輝さんも言っています。

 

現在は数えきれない種類の塩が販売されていますので、こだわって選んでいる方も多いと思います。

でも、塩はJAS法や食品衛生法の適用が対象外だということはご存じでしょうか? 塩には賞味期限がなく、製法や成分などの表示義務や表示規制もないのです。

醤油や酒などのように、パッケージの原材料欄を見比べて判断するのが難しいため、いくつか覚えておきたいポイントがあります。

 

精製塩はほぼ塩化ナトリウムです

販売されている塩に「精製塩」と「自然塩」があることは、すでによく知られています。

 

精製塩は塩化ナトリウムが99%以上になるまで精製された純度の高い塩で、サラサラしていて安価で手に入るのが特徴です。「食塩」や「食卓塩」などと書かれていれば精製塩です。ミネラルをほとんど含まないので、味にまろやかさはありません。

 

自然塩は自然にできた塩、は間違い!

一方、自然塩は自然にできた塩でミネラルが豊富…というイメージがありますが、じつはそうでもない場合があるのです。

 

自然塩には「再生加工塩」と「自然海塩」があります。

「再生加工塩」には輸入された原塩(精製塩)ににがりを添加したものや、輸入された海水塩を溶かして不純物を取り除き、煮詰めて再結晶化したものなど、さまざまな製法があります。ですから、含まれているミネラル分や品質、成分には商品によって大きな違いがあるのです。

 

「自然海塩」は伝統的な製法の塩で、海水を塩田で乾燥し天日干ししたものや、釜炊きしたものなどがあります。

手間がかかっている分、他の製法の塩より高価ですが、ミネラル分などは十分含まれており、品質的にも良いと言えます。

高い熱を加えていない塩のほうがさらにミネラルの崩壊が少なく、体にも取り込みやすいと言われています。

 

岩塩にはミネラル分は少ない!

また、これらとは別に、「輸入塩」があります。岩塩や海塩、加工塩などたくさんの種類が販売されていますが、特に岩塩は日本では産出できないこともあって人気がありますね。

岩塩はまろやかな口当たりなので勘違いされやすいのですが、にがりが少ない、イコール、ミネラル分の少ない塩です。天然の岩塩もあれば、添加によって岩塩になっているものもあるようです。

海塩や加工塩についても、ひじょうに高品質の塩もあれば、ミネラル分のバランスが悪いものもあります。

一概に「高価だからミネラル豊富でおいしく、体によい」とは言い切れません。

 

パッケージの売り文句に騙されないで

商品のパッケージに「ミネラル豊富」や「大自然の贈り物」などと大げさに書いてあっても、それほどミネラルが含まれていない商品も流通しているようです(もちろん書かれているとおりにミネラル豊富な商品もあります)。

表示規制がないため、こういったキャッチフレーズだけで「おいしそう」と思わせることもできてしまうのです。

購入する際は、できるだけ自然海塩、もしくは高品質の自然塩を選びましょう。

さらには、原料の産地や製法、成分などについてしっかり書かれている商品を選ぶのがよいでしょう。ちゃんと自信を持って販売している商品である可能性が高いと言えます。

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この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。