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blog | 2016.10.19

本を自炊するメリット・デメリットについて

 

「本を自炊する」とは、所有している蔵書を、裁断機やスキャナを使って自分の手で電子化することです。

スマートフォンやタブレットを使ってどこでも読めるようになるといったメリットと、きれいに取り込むにはコツが必要になるなどのデメリットがあります。

 

 

本を自炊するとは

 

本の自炊とは、スキャナを使って書籍版の本を自分でパソコンに取り込み、電子版にすることです。

ページを開いてスキャナに押しつける簡単な方法でも可能ですが、きれいに取り込みたい場合は本を解体もしくは裁断し、スキャナの画質設定も行わなければなりません。裁断せずに、スマホなどで写真に撮るという方法もありますが、やはり鮮明さは裁断したものにかないません。

 

電子書籍は今や一般的になっており、さまざまな電子書籍サイトで販売されています。

しかし、すでに書籍として持っている本を、スマートフォンやタブレットで読み直したいと考えた場合でも、電子版として新たに買い直す必要があります。

自炊をすれば自分が既に所有している本を、電子版としてスマートフォンやタブレットで読むことができるようになるのです。

 

 

本を自炊するメリット・デメリット

 

自炊のメリットは、電子版が発売されていない本でも電子書籍として読むことができる点にあります。

また、電子版が発売されていても改めて買い直さずに済みます。

ほかにも、自炊した本は処分できるため、本棚のスペースに余裕ができることもメリットとして挙げられます。

 

一方で、自炊をするための裁断機やスキャナは高価で、綺麗に取り込むためには経験が必要となるのがデメリットと言えるでしょう。

また、もとの本の大きさと、閲覧する端末の画面の大きさにも注意が必要です。小さな画面では文字が読めないということが起こりえます。

さらに、ダウンロード販売されている電子書籍はデータを消してしまっても再ダウンロードが可能ですが、自炊した場合はバックアップを取っていなければ二度と復活させることができません。

 

自炊すると良い場合・自炊しない方が良い場合

 

自宅の本棚が埋まっており、置き場所がないために新しい本の購入をためらっている場合は自炊を考えてみるとよいでしょう。

スペースが空くだけでなく、電子化した蔵書はスマートフォンやタブレットで外出先でも読めるようになります。

 

しかし、蔵書が絶版になっているなどの貴重な本である場合、自炊はおすすめしません。

自炊は裁断の段階で失敗する危険性があり、自らの手で読めなくしてしまうことにもなりかねません。

 

また、パソコンの操作に不慣れで、知識が乏しい方がおこなうとデータを消してしまうこともあり、おすすめしません。

 

なお、自炊はあくまでも自分で読むために、そして、作業も自分自身で行うことがルールです。

 

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この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。