blogブログ
blog | 2016.12.14
子育ての悩み~子供に「家事のお手伝い」は頼まないで!
「ちょっとは家事を手伝ってよ!」
と、少々怒り気味に子供に言ってしまうとき、ありますよね。
洗濯物を取り込んで、ごはんの支度、片付け、お風呂の用意…家のなかで慌ただしく働いている母を尻目に、ゴロゴロ寝転びながらテレビやゲームに興じる子供を見ると、
「言わなくても気づいて手伝ってくれる子供だったらよかったのに!!」
なんて愚痴りたくもなりますが、
「そもそも子供に家事のお手伝いを頼むのは、間違いです」
と家庭教育師で学校心理士や上級教育カウンセラーでもある大森弘先生はおっしゃいます。
いったいどういうことなのでしょうか?
「手伝わせる」のではなく、分担しましょう
大森先生がおっしゃっているのは、子供に家事をさせるのが間違いなのではなく、「お手伝い」を頼むのが間違っているということでした。
「お手伝い」は、「そもそもその人の仕事ではないことを、やりたい気持ちとやれる時間があるときだけやればよいもの」です。
だから、
「手伝ってよ!」
という母親の言葉に、
「え〜、このテレビ観てるからいやだ〜」
と子供は答えられてしまうのです。
家事はお母さんの仕事でしょうか?
違いますよね。家事は、家族全員の仕事です。
子供に求めるのは「お手伝い」ではなく、「家事分担」です。
家事分担は、「やりたい気持ちやる時間がなくても、なんとかしてやろうとしなくてはならないもの」。「お手伝い」と「家事分担」では、意識が大きく違うのです。
家事分担の仕方は?
そうは言っても、家族4人だから家事を4等分する、というわけにはいきません。幼児や高齢者、受験生など、それぞれの状況に応じてできること、できる時間が違いますから、話し合って分担内容は決めていきます。
分担する家事の仕事量が不公平になる可能性が高いわけですが、それを不満に思うかどうかは、負担の重い軽いよりも「どれだけちゃんと話し合っているか」にかかっているのだそうです。
ちゃんと話し合うことで、「家事は家族全員がやることなのだ」という意識が共有され、負担の重い家族に対して感謝の気持ちも生まれます。また、「みんなで家を運営しているのだ」という連帯感や家族の絆も生まれます。それがお互いの満足につながっていくのです。
子供に「つながり感」を身につけさせる
人間には他の人とともに生きたいという基本的欲求があります。集団帰属意識や共同体感覚と言い換えてもいいのですが、昔の日本人はみな住んでいる地域や学校、職場に対して、こういった感覚を強く持っていました。
ところが戦後以降、「他人に迷惑をかけない」生き方、独立した生き方が推奨されるようになり、逆に言えば、人間関係を希薄にしていきました。
今また「つながり感」や「絆」が見直されてきていますが、まずは家族のなかで集団帰属意識や共同体感覚を身につけ、社会性を育て、他の人々とのよい関係が築ける素地をつくることは、とても大切ではないでしょうか。
家事分担は、家族の一員としての責任感を育てます。ほかの家族への思いやりも生まれてくるでしょう。
「お手伝い」ではなく、「家事分担」をぜひ家のルールにしてみてください。
子育てに悩むお母さんに、科学的知見に基づいたアドバイスが満載の『母親はみな一生懸命 愛情がからまわりしないための35のポイント』(大森弘著)をぜひお読みください。
ご購入は、こちらから>>>
- この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
- 書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。