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blog | 2016.12.28
絵本の読み聞かせのコツは? 『トマトくんのありがとう』制作時の話
読み聞かせしやすい絵本をつくろう
絵本『トマトくんのありがとう』は、企画段階から「読み聞かせしやすいものにしよう」と決まっていました。
それは、文を担当された徳永玲子さんが長年、読み聞かせ活動に力を入れてこられたからでもあります。
徳永玲子さんはタレント、女優、パーソナリティとして活躍していらっしゃって、福岡では知らない人はいないという有名な方です。その傍ら、さまざまな場所で、数えきれないほどの絵本を読んでこられました。
書店イベント・読み聞かせ会での徳永玲子さん
たくさんの子供たちを前にして読むときに、あまり小さな本だと見えないので、本のサイズは大きめです。これは保育園や幼稚園などで先生方が読み聞かせされるときも同じだと思います。
それで『トマトくんのありがとう』は、ほぼA4サイズになっています。
それ以外に読み聞かせに必要なものって何だろう? と考えるところから、絵本づくりが始まりました。
わが子に絵本の読み聞かせをしようとしても、子供の集中力が続かず、最後まで読めない本がたくさんあります。
最後まで楽しみながら読める本と、途中で飽きてしまう本の差は何なんだろう? 年齢・性別・興味の対象…他にはどんな要素がある?
うちは息子2人だから、もしかして娘だったらもっと絵本に興味があったのかしら?
そもそも、どの子供に対しても最後まで楽しく読み聞かせできる本なんてあるのかな?
などなど、たくさんの疑問が湧いてきます。
でも、その前に当の私が「読み聞かせが下手」という可能性が大きい!
読み聞かせがうまくなるコツを知っていれば、「読み聞かせしやすい絵本」の要素もはっきりするのでは?と思い、いろいろ調べてみました。
子供がよろこぶ、読み聞かせの7つのコツ
①読み聞かせを自分も楽しむ
子供によい影響があるから読み聞かせをしなくては、と義務感で読んだりせず、読み手側も楽しみながら読む。
②登場人物になりきって演じる
自分も登場人物になりきったり、表情をつくったりすることで、声に抑揚が出てテンポなどもよくなり、子供が集中しやすくなる。徳永玲子さんも②が大事なポイントとおっしゃっています。
③感情を入れずに淡々と読む
子供の想像力を邪魔しないよう、なるべく声の抑揚は少なく、感情を入れないようにていねいに読み進める。②とは逆の考え方のように思えますが、②は集中力を養い、③は想像力を養うということでしょうか。
④子供との位置関係を工夫する
子供に安心感を与えたいときは膝の上に抱っこ。子供が集中しているかどうか知りたいときは正面で顔を見ながら。絵本をしっかり見てほしいときは隣で…など、子供と読み手側の位置関係を工夫する。
⑤アドリブは入れない
絵本のリズムはよく考えられている。勝手に変えたり、飛ばしたり、あいだに質問を挟んだりしないほうがいい。
⑥早口にならず、ゆっくり読む
読んでいる側は理解できても、声だけで聞いているほうは早口では理解できない。できるだけゆっくり読み、ゆっくりページをめくるよう心掛ける。
⑦何度も繰り返し読み聞かせる
繰り返し読んでいるほうが子供の反応がよくなり、理解も深まるので、「読んで」と言われたら面倒がらずに何度でも繰り返し読んだほうがいい。
まだまだ細かく言うとコツはたくさんあるようです。読み聞かせも奥が深いですね。
「読み聞かせしやすい絵本」のポイントを探る日々は続きます。
(編集部U)
『トマトくんのありがとう』は、トマトができるまでのいのちの物語と農家のおじさんとの愛情物語です。
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- この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
- 書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。