ブログ | グッドブックスは、本の力を信じて"良い本"を作りつづけます。

blogブログ

blog | 2020.02.10

本を作るのにどのくらい費用がかかるか?

 

本を作るのにどのくらい費用がかかるのか、なかなか想像できませんよね。

そこでまずは、皆さんの原稿が本になるのに、どんな工程で、どんな人々が関わっていくかを示してみました。

 

本を出版するのに関わる人々

 

本を作るには、

・原稿整理(編集者)

・組版(専門オペレーター)

・校正・校閲(校正者)

・本のレイアウト・カバーデザイン(ブックデザイナー)

・印刷(印刷会社)

・製本(製本会社)

といったプロや専門の会社が関わります。

 

これを見ると、料金がそれなりにかかるのが分かりますよね。

 

本を作る費用はピンキリ

 

そのほか、1冊の本を作るには、

・ページ数

・刷り部数

・本文や装丁に使う素材

・大手なのか中小の出版社なのか

・編集者やデザイナーがどの程度絡むのか

・イラストや図表を入れるのか

などによって全く違ってきます。
そう言ってしまうと記事の意味がないので、おおよその目安をお話ししたいと思います。

 

激安コース 印刷会社に直接原稿を持ち込む  40万円くらいから

 

本当に安く上げたいと思ったら、出版社をすっ飛ばして印刷会社に直接持ち込むことです。印刷会社は出版社でできた原稿の最終データを美しい本に仕上げていく専門業者ですから、ソフトさえしっかりしていれば、見栄えの良い本を作ってくれます。

 

ただし冒頭に示した工程の中で出版社が請け負う、編集、校正、デザインもすっ飛ばすことにもなるので、原稿のブラッシュアップや事実確認などは自分でやる作業となり、デザインの方向性も自分で決めなければなりません。

(自費出版部門のある印刷会社には、デザインのできる方がいらっしゃいますので、著者のデザインイメージを伝えれば、それに沿ったものに仕上げてくれるでしょう)

 

なので、印刷会社での出版は、和歌集や俳句集など、原稿の修正、リライト、校正などの必要のない原稿に向いています。もちろん、自分で何度もチェックして完璧に近い原稿を作る自信のある人にも向いています。

 

 印刷会社に原稿を持ち込んで本を作る場合、

・文字のみのワープロ原稿(図表などは別)
・ソフトカバー
・デザインや使用用紙もオーソドックスなもの
・200ページ
・刷り部数 100~500冊

上記のような仕様ですと、40万円くらいからできると思われます。

編集者や校正者が関わらない分、自分でしっかりとした原稿をつくれば、グンと安くできるわけです。

 

印刷会社で本を作ると、書店で販売することはできませんが、自分でISBNコードを取得してAmazonと契約すれば、ネットで販売できます。

 

出版社でつくる 130万~300万(グッドブックスの場合)

 

出版社に原稿を持ち込んだ場合、原稿整理、校正、デザインというプロの手が入りますので、印刷会社よりもグンと料金がアップします。
 ワープロ原稿で、ソフトカバー、200ページ、100~500冊で、最低130万円くらいはかかると思っておいた方がよいでしょう。

これが最低ラインで、大幅なリライトや原稿整理を要したり、デザインを凝ったり、高い用紙を使用したり、本文に色を使ったりすると、料金が仕様に応じてアップします。

加えて、書店やamazonといったネット書店で売る場合は、流通費用や広告費がかかり、300万円くらいはかかってしまいます。
商業出版で一般書を出すと約300万円の予算が必要と言われますが、それに符合するわけです。

 

以上は、紙の本を作るコストですが、同じ紙の本でも小冊子の場合、また電子書籍となると、コストはかなり違ってきます。

それはまた別の記事で書きますね。

本サイトでは、出版に興味がある方向けにブログを更新しています。ほかのブログもどうぞお読みください!

(書籍編集者 良本和惠)

2020年7月よりグッドブックスのYouTubeチャンネルで「ウータンと一緒に本を書こうプロジェクト」が始まります。
プロがやっている本作りのポイントをお教えします。ぜひご参加ください。

「グッドブックス」「ウータンちゃんねる」でググってみてください。


この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。