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blog | 2020.02.06

商業出版と自費出版のあいだにある共同出版

あまりにもハードルの高い商業出版


本を出して売れた実績のない人にとって、商業出版はなかなかハードルが高いもの。

昨今は、これまでに何冊も本を出してきた著者でもなかなか新刊を出せない状況。

だから、まずは自費出版をと考える人が多いようです。

しかし自費出版となると、お金を貯めるために何ヶ月も時間がかかるし、モチベーションが上がらないのも確かですよね。

 

本が売れない時代の新しい道筋としての「共同出版」


制作から販売の経費をすべて負担する自費出版と、まったく負担しない商業出版では、あまりにも差があります。

自費出版は著者にとって、ものすごい負担感がありますが、商業出版は出版社側にとっても大勝負なのです。


そこで考えられたのが、共同出版という考え方です。

これは、商業出版と自費出版の中間のようなもので、著者側がある程度の買い取りを条件に、商業出版するということです。

(※共同出版はあくまでも考え方の話で、共同出版という名称が広く一般に認知されているわけではありません)

 

著者の仲間入りするための第一歩として

 

例えば、著者が1000冊を買い取ることを条件に、出版社は500冊をプラスして、書店流通させるということが可能となります。

出版社は1000冊の著者買いによってリスクを避けることができ、営業にも経費を回すことができる。

1000冊の買い取りは負担だなと思われるかもしれませんが、ブロガーやYouTuberさん、講演家さんで、1000人以上の熱烈なファンを持っている方にとっては、しっかりと宣伝さえすれば、自己負担なしに、書店にも自分の著書が出回るということになります。

つまり、共同出版は、著者と出版社がウインウインとなる出版形態となります。

 

新人著者の方は、むしろ、自費出版を出すくらいのつもりで、プラスαで出版社が自分の本を書店やネット書店で宣伝してくれるくらいに思っておいた方が良いでしょう。

これで当たったら、堂々と著者の道が開かれていくわけですから。

 

共同出版的な本はこれから増える!?

 

また、最初に著者が何千部も買い取るのではなく、最終的に残った本を買い取るということにすれば、出版社にとってはありがたいことです。

だれしも売れると見込んで本を出すのですが、そうそう狙い通りに行くものではありません。

そこで出版社も著者も頑張って売る努力をして、それでも売れ残ったら、買い取る。そうすれば、出版社は書店にもっとたくさん流すことができるわけです。

 

講演会をたくさん行うような著者にとって、これはそんなに難しいことではありません。

しかも純粋な商業出版ではないので、自分のこだわりを本に反映できる可能性が高くなります。

商業出版は、出版社が編集の主導権を握り、本作りが進んでいくので、出版社によっては売らんかな的な過激なタイトルや見出しを付けられたりすることもあるわけです。

おそらく、これからは共同出版的な本の出し方は増えていくと思われます。
新人著者がそれを利用しない手はありませんよね。

 

皆さんの夢が実現できますように。

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(書籍編集者 良本和惠)

 

この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。