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blog | 2020.02.05
出版社が断りにくい原稿って?
出版経験も、出版社にコネもないという方は自力で原稿を持ち込まなければなりませんが、
自分の大事な原稿を出版社に持ち込んで、無視されたり、むげに断られるかもしれないと思うと、嫌ですよね。
出版社の立場からすれば、商業出版には、1冊を出すのに、制作費やら宣伝・営業費を合わせると、300万円以上がかかることから、特に新人さんの原稿にはおいそれとは手を出せないという事情もあります。
しかし、出版社が断りにくい原稿というものも確かにあって、今回はこれについてお話ししますね。
「商業出版がダメなら、自費出版も考えます」
たとえば、原稿を持ち込む際に、
「この原稿は自分の精力を注ぎ込んだ自信作ではあるけれど、読んでもらって、これは商業出版ベースに乗らないと思われたら、自費で作る覚悟はあります」
と言ったとします。
この言葉に対して、その場で断ったり、追い返すようなことをする出版社はあまりないのではないかと思います。せめて企画書ぐらいは読んでくれるはずです。(但し、自分たちで企画したものしか出さない方針の出版社もあるので、HPなどで調べておきましょう)
なぜならば、検討した結果、商業出版にできないと判断した場合でも、最終的に制作費を払ってくれるならば、リスクを取らずにすむからです。そうなると、企画書か原稿を読んでみようかなということになりそうです。
この場合、最初から自費出版でも構わないというのではなく、費用を折半する共同出版方式(著者の一部買い取りで、書店流通をしてもらう)などを探っていくことをお勧めします。
ファンが数十万人いるブロガーやユーチューバーの原稿
いまや、トップレベルのブロガーやYouTuber、つまりインフルエンサーは、出版社の方から探している状況です。その一番の理由は、ファンの多くが本を買ってくれる可能性が高いからです。
もともと作家や著者というものは、素晴らしい内容を世の中に発信する能力を持った人であるとともに、一定のファンが付いている人のことをいいます。なので、ブログの読者数やYouTubeのチャンネル登録者数が多い人はそれに近い人と見なされるわけです。
これから伸びそう、育てていきたいと思える人の原稿
出版社の役割のひとつに、著者を育てていくことがあります。出版不況の現在は、余裕のない会社が多いので、すでに売れている著者に頼りがちですが、本当は素晴らしい新人を見つけて育てたいもの。
そうした著者になることを目指して、長期戦略を立てていくことも考えられます。
企画を練り、良い原稿を書く。そして、ブログやYouTube、SNSなどで自分のファンを広げていくことをやりつつ、時期が来たら、アタックしてみるのです。
皆さんの挑戦を応援しています。
(書籍編集者 良本和惠)
- この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
- 書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。