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blog | 2016.09.24

1冊の本ができるまで、本の制作の流れと関わるプロたち

出版を志す方々のために、
1冊の単行本が誕生するまでの工程と、そこにどんなプロたちが関わるのか、
大きく5つの流れでまとめてみました。

 

1.企画‥‥編集者

 

原稿内容をどんな本にするか、企画書にまとめます。
タイトル、出版趣旨、対象読者、体裁、売り方、競合本、構成(目次)などを書きます。

企画会議にはかって採算面からも検討され、OKが出たら著者にアタック。
自費出版の場合は著者が納得する企画に練り上げていきます。

 

2.原稿作成‥‥著者、編集者、ライター

 

 著者が執筆する場合と、ライターが文章にまとめる場合とがあります。
ライターが書く場合は、著者とライターとの相性が大事になってきます。

 

3.原稿整理、デザイン‥‥編集者、デザイナー

 

 原稿が一通り完成したら、原稿をさらにブラッシュアップ(原稿整理)。
デザインワークに進み、本文のレイアウト、カバー・表紙、扉などのデザインを検討。

 

4.組版、校正‥‥DTP担当、校正者、編集者

 

原稿をレイアウトに合わせて組んでいきます。これをDTP作業といいます。
それを紙にプリントしたのが「ゲラ」です。たいてい見開きの状態で出されます。

ゲラを著者、校正者、編集者がチェック。これを2度3度繰り返し、データが完成。

 

5.印刷、製本‥‥印刷所・製本所の方々

 

 いよいよ印刷の工程へ。
製版を経て、青焼き(印刷機によっては白焼き)が出て、
ページが順番通りになっているかなどをチェックし、印刷機にかけられます。

カバー、オビ、表紙などは、色校正をおこなったうえで印刷。

製本所にまわされ、折り加工などを経て、カバー、オビがかけられ、ようやく本の形に!

ちなみに電子書籍は、4までの工程は同じで、
その後、電子書籍のデータ加工が行われて、書誌情報などをつくって出来上がりとなります。

 

まとめ いくつもの工程と幾人もの専門家が関わって1冊の本が完成します。

 企画から本が完成するまでの期間は、短くて2,3カ月、最大3年。一般には半年から1年がかかります。
こうして多くのプロの手を通してできあがるのが本(書籍)です。

これが、ネット上に溢れる情報との差です。
ネット上に無料で読める文章が増え続けても、本の信頼度や価値が薄れないゆえんでもあります。

(書籍編集者 良本和惠)

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この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。