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blog | 2016.10.11
最低限の調味料5選!これだけあれば困らない!
料理研究家の深澤大輝さんに、家庭料理に最低限あればOKの調味料についてうかがいました。
日本で調味料といえば、「さしすせそ」ですよね。
「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」は「酢」、「せ」はしょうゆ、「そ」はみそを指します。
これが基本の調味料と言われていますが、素材の味を引き出すヘルシーな料理のためには、砂糖はみりんに置き換えましょう。
基本の調味料は
- 塩
- しょうゆ
- みそ
- みりん
- 酢
この5つがあればじゅうぶん。
あとは調理用の油があれば、ひと通りの料理はこなせます。
絶対に必要な調味料は「塩」
なかでも特に塩は究極の調味料です。
例えば、しょうゆやみそは「塩+大豆」を発酵させたものです。
大豆は調味料ではなく素材ですから、調味料は塩だけとも言えます。
また、みりんや酢は、蒸したもち米に米麹などを混ぜて熟成や発酵させたものですから、素材そのものです。
こんなふうに考えていく
と、基本の調味料5つのうち、絶対に必要な調味料は塩だけになります。
ソースの語源は「塩味を付ける」というラテン語だとも言われていますし、その証拠に、ヨーロッパでは「塩+素材」だけでできた料理がほとんどなのです。
ふだんの料理に砂糖はいらない
なぜさきほど基本の調味料の「砂糖」を「みりん」に替えたかというと、砂糖は素材の旨味をぼかしてしまう傾向があるからです。
砂糖を加えると調味料の味をやわらげ、さらに全体的な味が濃くなって、人間の舌は「おいしい」と感じます。
簡単に「おいしい」と感じる味に調整できるため、ついたくさん使ってしまいがちですが、残念ながら素材の味を引き出す料理からは遠くなっていきます。
それに、上白糖などの高度に精製された糖類は、感情のコンディションにも影響を及ぼしやすいと言われています。
砂糖を摂ると血糖と伝達物質のレベルが上がり、一時的に気分が高揚しますが、その後、両方が一気に下がるため、気分も落ち込んでしまうことがあります。
血糖値の急激な上昇は体によくないと最近盛んに言われていますが、やはり砂糖を摂取する量と頻度には、注意が必要です。
こういうことを考えると、ふだんの料理では砂糖は控えたほうが無難です。
基本的に甘味は素材から引き出すことができますから、調味料で甘味をプラスするとすれば、みりんで十分なのです。
どうしても砂糖を使いたい場合は、上白糖などの精製された砂糖よりも、人体に吸収される速度がゆっくりだと言われているメープルシロップや黒糖などを使いましょう。
ここでもうひとつ、砂糖やみりんの代わりになる天然の甘味料をお教えします。
玉ねぎの蒸し煮です。いろんな料理にアレンジできて、びっくりするほどおいしいですよ!
玉ねぎで作る天然の甘味料「玉ねぎの蒸し煮」
玉ねぎを蒸し煮にしてじっくり火を通すことで、しっかり甘味を引き出します。どんな料理とも相性がよく、冷蔵庫で1週間くらい保存できますよ!
〈材料〉
- 玉ねぎ 3〜4個程度(もっと多くても可)
- 塩 少々
- 玉ねぎは薄いくし切りにする。(回し切りがおすすめ。回し切りは下の「玉ねぎの切り方」を参照)
- 底の厚い鍋を用意し、鍋底にうっすらとふり塩をする。 ※ふり塩とは、味付けの塩ではなく、素材の水分を出すのを助ける塩のことです。
- 鍋に切った玉ねぎを入れ、玉ねぎの上にもうっすらとまんべんなく、ふり塩をする。
- 鍋にふたをして、焦げないようにごく弱火で30分から1時間程度、蒸し煮にする。
- 玉ねぎが透き通ってきたら完成。すりこぎやブレンダーでピューレ状にしておくと便利。
【アレンジレシピ1】玉ねぎのみそ汁
みそ汁の常識をくつがえす、だしを使わないレシピです。
じっくり火を通した玉ねぎの甘味で、じゅうぶん厚みのある味わいになります!
〈材料〉2人分
- 玉ねぎの蒸し煮 大さじ3程度
- みそ 適宜
1)「玉ねぎの蒸し煮」(ピューレにしていないもの)を鍋にいれ、水を適量加えて沸騰させる。
2)火を止めてみそを加え、味をととのえれば完成。
加える水やみその量はお好みで。玉ねぎの甘味を味わうために、みそは控えめがおすすめです。
【アレンジレシピ2】きんぴらごぼう
みりんや砂糖を使わず、代わりに玉ねぎで作った天然の甘味料「玉ねぎの蒸し煮」のピューレを使って作るきんぴらごぼう。
大きめにカットしたごぼうとにんじんで、食卓の主役になります!
〈材料〉2人分
- ごぼう 1〜2本程度
- にんじん 小1本程度
- 玉ねぎの蒸し煮(ピューレにしたもの) 適量
- ごま油、塩、しょうゆ、白ごま 適宜
- ごぼうとにんじんは4センチ長さの太めの棒状に切る。
- フライパンに①を入れ、うっすらとふり塩をし、ふたをしてごく弱火に。30〜40分かけて柔らかくなるまで蒸すことで、甘味を引き出す。 ※ふり塩とは、味付けの塩ではなく、素材の水分を出すのを助ける塩のことです。
- ②にごま油、玉ねぎの蒸し煮をピューレにしたもの、しょうゆを加え、水分が少なくなるまで炒める。
- 白ごまをふって完成。
ごぼうとにんじんは細いせん切りにせず、太めに切ることで火の通りが遅くなり、食感が出ます。野菜の甘味でこんなに甘くなるのかと驚きますよ!
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- この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
- 書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。