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blog | 2016.03.04

書き込みやすいPUR製本

本日は、山本トースネスみゆき著『7週間セルフイメージ革命』の発売日です。

左ページに解説、右ページは読者が書き込むワークブック形式の本です。

この本、書く時のストレスを和らげるために、開きやすさにこだわっているんです。

表紙の背の部分がカーブしているのが見えますね。

PUR製本という特殊製本です。

普通の製本は、本を手で持って、めくりながら読む分にはいいのですが、
料理本や楽譜のように開いた状態でキープしてほしいものには向かないし、
書込式の場合も、押さえながら書かなくてはなりません。

(手帳は特殊な製本技術を使っており、書籍の製本とは異なります)

開いた状態をキープしていますね。

 

そこで開きやすい製本が開発されたわけですが、
大きくは、オープンバック(広開本とも言う)とPUR製本に分けられます。

 

オープンバックはこちら↓

何かに似ていませんか? 上製本の応用ですね。

 

当初オープンバックを考えていたのですが、
使用する紙で作っていただいた束見本の開き具合が良くなくて、PURのほうにしました。
PURとは反応性ポリウレタン接着剤の略で、
従来のEVAホットメルト(通称ホットメルト)に比べ、
柔軟性、強度、環境面ですぐれているそうです。

この、PURの柔軟性と強度によって、接着剤の塗布量が極端に少なくなり、
本を開くとノド元まで開くことが実現しています。
お手持ちのソフトカバーの本、ノドの接着剤が1ミリ程度見えていませんか?

今回の新刊はほとんど見えません。
そして、ゆっくり開いて、ノドの部分を押さえると、開いたままを保ってくれます。

ところが、です。

環境にも配慮されたいいことづくめなのに、
書店に行くと、ほとんどがホットメルトを使った従来の製本です。
料理本も、最近流行の塗り絵も、どういうわけか、ホットメルト。

こんなにいい製本があるのに、もったいない。コスト面の影響?
印刷会社の営業さんにそんな話をしたら、
「それもあるでしょうが、編集者やデザイナーが知らないのでは?」と。
「しかも、PURを売り物としている製本会社でもあまり使われていませんからねえ」
使わないと技術は進歩していきません。もしかしたら、なくなってしまうかも。

PUR製本を残すためにも、書込式本を作ろう!と考えたのでした。

 

そして、本日、ある著者に企画を持ち込んだのですが、
新刊片手に、先生の本も開きやすいものにしたいと力説しました。

「ほほー、ノドまで図柄がかかってもOKなんですね!」
と感心されていましたが、企画も「やりましょう!」と言っていただきました。

ちなみに、この先生、オリンピックの時には欠かせない方で、
先生の若い頃の物語が新しい小学校の教科書に載るのだそうです。

PURのおかげで、オリンピックを念頭に置いた企画が通過したのでした。
新刊『7週間セルフイメージ革命』も、発売前からたくさんの注文をいただいています。

あなたの体の感覚に耳を澄ませながらあなたらしさを取り戻す本です。
WEEKごとに著者から応援メッセージ&が無料動画が届きます。
あなたも、セルフイメージ革命の旅にご一緒しませんか?

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この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。