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社会
判定!高校「歴史総合」教科書
伊勢雅臣 著
令和4年から高校で導入される新教科「歴史総合」──
従来の暗記型の歴史から脱却し、グローバル時代の有為な人材育成を目的としたはずの教科書が、
比べてみると、史実を真逆に記述する教科書あり、
問答無用型で歴史を断罪する教科書あり、
思想誘導型とも取れるイメージ刷り込み型の教科書あり……
グローバル時代の有為な人材育成を目的として活動してきた著者が、全7社を熟読吟味し、判定評価を下します。
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教科の目的「広い視野に立った社会の有為な形成者」はどこへ?
新教科「歴史総合」は、「広い視野に立ち、グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の有為な形成者に必要な公民としての資質・能力を育てる」ことを目的に新設されました。
そして、生徒自身が「主体的」に考え、教師や生徒と「対話的」に議論し、そこから歴史の「見方・考え方」を身につけること、とされています。
単に年号や人名、事件名などを覚えるだけの「暗記科目」とされていた歴史教育の大転換と言えるものでした。
これを知った著者・伊勢雅臣氏はたいへん期待をしたそうです。
アメリカやイタリアで現地法人社長としてビジネスをやってきた著者は、
日本人が海外で自分の国について語れない=外国人にがっかりさせる光景を何度も目にしてきたからです。
そこで、ビジネスの傍ら「国際派日本人養成講座」というメルマガを始め、現在の購読者は4万人!
ところが、検定を通った教科書を取り寄せてみて驚きます。目的とかけ離れた教科書がほとんどでした。
全7社の教科書を判定!
本書で取り扱うのは、近現代史の重要な8つの事項について章を立て、
各教科書がどう描いているかを比較し、判定評価を下します。
攘 夷──対外強硬か、独立維持か
日清戦争──朝鮮侵略か、友邦国化か
台湾統治──植民地か、新領土か
日露戦争──帝国主義戦争か、自衛戦争か
朝鮮統治──収奪か、発展か
満州事変──日本は断罪され、世界から孤立したのか
日華事変──侵略か、引きずり込まれたのか
大東亜戦争──侵略戦争か、自衛戦争か
章トビラには、関連年表と大きな時代の流れ、考える視点を表記
3段階の展開
それぞれの事項について各教科書がどう描いているかを丹念に読み込み、3つのステップで描いています。
1.教科書記述の問題点──教科書記述をに示しながら問題点を指摘。
2.教科書が教えるべき史実──本来教えるべき当時の世界情勢や置かれた立場について指摘。
3.先人の声を聴く── 当時の人々が何を考え、何を守ろうとしたのか。また、何を残したのか。人物に焦点を当てながら展開。
*章ごとに各教科書の判定のページを設けています。
当時の人々の立場に立って、歴史に向かう
各章の「先人の声を聴く」では、歴史的局面で重要な働きをした人物に焦点を当てて描いています。
佐久間象山 独立維持のシナリオ・ライター
明治天皇 軍艦建造費下賜と開戦への消極姿勢
八田與一 台南百万の農民の暮らしを豊かに
小村寿太郎 いかに講和に辿り着くか
朝鮮殖産銀行 日韓一体で高度成長を牽引
白川義則 重光公使と共に上海の戦火を止める
汪 兆銘 われは苦難の道を行く
今村 仁 インドネシア独立戦争に命を捧げる
当時の人の立場に身を置くことで、歴史がいきいきと蘇ってきます。
歴史教育とはそうあるべきとの著者の思いがそこにあります。
2色刷で読みやすい本文
本文は、2色刷で分かりやすい文章表現となっています。高校生にも副読本として是非読んでほしいものです。
※令和4年1月9日(日)に、八重洲ブックセンター本店にて、本書著者・伊勢雅臣氏と、ねずさんとして知られる小名木善行氏のトークショーを開催しました。
その中で、本書について語って頂いた部分を抽出した動画が、こちらです。
構成
序章 教科書によって、こんなに違う歴史記述
歴史を知らないことのハンディキャップ/あからさまな検定方針違反の記述がこんなに/学習指導要領の深さ、教科書検定の浅さ
1章 攘夷 対外強硬か、独立維持か
〈教科書記述の問題点〉攘夷は排外主義だったのか
〈教科書が教えるべき史実〉西洋植民地主義の脅威にどう立ち向かったのか
〈先人の声を聴く〉佐久間象山 独立維持のシナリオ・ライター
2章 日清戦争 朝鮮侵略か、友邦国化か
〈教科書記述の問題点〉日清戦争はなぜ起こったのか
〈教科書が教えるべき史実〉朝鮮内政外交の前近代性
〈先人の声を聴く〉明治天皇 軍艦建造費下賜と開戦への消極姿勢
3章 台湾統治 植民地か、新領土か
〈教科書記述の問題点〉「台湾征服戦争」と言えるのか
〈教科書が教えるべき史実〉台湾を一つの生命体として蘇らせた画期的統治
〈先人の声を聴く〉八田與一 台南百万の農民の暮らしを豊かに
4章 日露戦争 帝国主義戦争か、自衛戦争か
〈教科書記述の問題点〉こんなに違う開戦理由記述
〈教科書が教えるべき史実〉日露戦争をめぐる国際状況
〈先人の声を聴く〉小村寿太郎 いかに講和に辿り着くか
5章 朝鮮統治 収奪か、発展か
〈教科書記述の問題点〉朝鮮統治は強行・強圧だったのか
〈教科書が教えるべき史実〉韓国の安定と高度成長
〈先人の声を聴く〉朝鮮殖産銀行 日韓一体で高度成長を牽引
6章 満洲事変 日本は断罪され、世界から孤立したのか
〈教科書記述の問題点〉こんなに違うリットン報告書記述
〈教科書が教えるべき史実〉リットン報告書は調停か、日本断罪か
〈先人の声を聴く〉白川義則 重光公使と共に上海の戦火を止める
7章 日華事変 侵略か、引きずり込まれたのか
〈教科書記述の問題点〉[東書]と[明成]、過程記述の凄まじい違い
〈教科書が教えるべき史実〉謀略を企んだ黒子たち
〈先人の声を聴く〉汪兆銘 われは苦難の道を行く
8章 大東亜戦争 侵略戦争か、自衛戦争か
〈教科書記述の問題点〉日本はほんとうに戦争を望んだのか
〈教科書が教えるべき史実〉米国内のルーズベルト政権批判
〈先人の声を聴く〉今村仁 インドネシア独立戦争に命を捧げる
結章 歴史教科書3つのタイプと総合判定
歴史教科書3つのタイプ/思想誘導型──「問答無用」の押しつけ記述/「社会科学」的記述の客観性/先人の声に耳を傾ける「歴史物語」型記述/無心に辿れば、我が国に美しい「歴史物語」はいくらでも見つかる
総合判定
『判定!高校「歴史総合」教科書』
定価1,760円(1,600円+税)
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著者について
伊勢雅臣(いせ・まさおみ)
経営学博士、「国際派日本人養成講座」編集長。
1953年東京生まれ。東京工業大学社会工学科卒。大手製造企業に就職。社員留学制度により米国カリフォルニア大学バークレー校に留学。経営学修士(MBA)、経営学博士(Ph.D.)を取得。2010年よりイタリア現地法人社長、2014年より米国現地法人社長。ビジネスの傍ら1997年にメールマガジン「国際派日本人養成講座」を創刊、以後24年にわたり編集長として発信を続け、現在の購読者4万人。筑波大学・日本語日本文化学類・非常勤講師。公益社団法人国民文化研究会理事も務める。
著書に、『世界が称賛する 日本人が知らない日本』『世界が称賛する日本の経営』『世界が称賛する日本人が知らない日本2 「和の国」という”根っこ”』『学校が教えない 本当の日本史』(以上、育鵬社)など。近刊に『この国の希望のかたち』(グッドブックス)がある。