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ねずさんが描く女性の日本史

社会読み物・自己啓発

ねずさんが描く女性の日本史

小名木善行

○女性をかたどった土偶
○太陽神アマテラス
○太古に根づいていた男女平等
○女性的感性が花開いた平安時代……

我が国に元々あった女性尊崇の文化伝統を
ねずさん(著者)独特の軽やかなタッチであざやかに描き出す。

男女が協働してつくりあげた、
たおやかな美しい国の原点がここに!

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我が国に元々あった女性尊崇の文化

古代の日本の人々の風俗について、中国の史書『魏志倭人伝』が驚きをもって伝えています(第一章)。

たとえば、「会同坐起に父子男女別なし」。地域の寄り合いでの席順が決まっておらず、男女問わずに座っている、というのです。

また、本章には、「神につながれるのは女性だけだった」とありますが、それがまたすごい内容です。

古代

第二章では、世界各地の神話や習俗から諸外国の女性観が紹介されていますが、女性をこんなにさげすんでいたのかと思える内容です。

それと対比して書かれたのが日本の女性観(第三章)で、我が国では、女性の本質を見抜き、男女が協働して社会を築いてきたことがわかります。

和歌を通して読み解く女性の深さ、輝き

世界最古の長編女流文学として、世界20カ国語に翻訳されている『源氏物語』。
その作者、紫式部から第四章は始まります。紫式部の歌をとおしてその人柄、感性に迫ります。

なでしこ

つづいて、名だたる女流歌人たちの歌を通して、その感性の深さと輝きを描き出します。
万葉集や百人一首を研究してきた著者ならではの視点が光っています。

女性を正当に賞賛できる日本人の精神


著者は、次のように言います。

日本では古くから、神様とつながる特別な権限を
女性がもっていると考えられてきました。
本書には歴史に名を残した女性たち出てきますが、
その背景には、女性を正当に賞賛できる日本の土壌、
日本人の精神があることを忘れてはなりません。
その精神は、多くの名もなき女性たちにも
向けられたものに違いないのです。──本文より抜粋

組み紐

「男女平等ランキング2024」によると、日本は118位。これはどういう物差しで測ったものなのでしょうか?
女性の本質を正当に評価してのものなのでしょうか?
ぜひ本書を読んで、女性の本質や男女が協働するとは、について考えたいものです。

小名木善行著『ねずさんが描く女性の日本史』
四六判並製、224ページ。定価:1,760円(本体1,600円+税)

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著者プロフィール

小名木善行(おなぎ・ぜんこう)

昭和311月生まれ。浜松市出身。上場信販会社を経て執筆活動へ。私塾「倭塾」を主宰。ブログ「ねずさんの学ぼう日本」などで、古典・歴史などを踏まえた分かりやすい日本人論を発信、人気を博す。YouTube番組「倭塾」を運営。著書に 『庶民の日本史』『奇蹟の日本史』(グッドブックス)、『縄文文明』(ビオマガジン)、『ねずさんの奇跡の国日本がわかる万葉集』『縄文文明の謎を解く』(徳間書店)、『日本建国史』(青林堂)など多数。 

本書の構成

第一章 古代日本と女性尊崇

一 魏志倭人伝が伝える日本の姿 
二 神功皇后によって成し遂げられた武の発動   
三 推古天皇の誕生と女性天皇の意義  
四 日本をひとつにした持統天皇   

第二章 諸外国の女性観

一 パンドラに始まる西洋的女性像  
二 アダムとイブの原罪   
三 コルセットと纏足に見る女性支配の構造   

第三章 日本の女性観 

一 日本神話に見る女性観  
二 英雄を助ける女性たち  
三 燃えるような強さをもつ女性
四 小野小町が美しい理由   

第四章 歌で読み解く女性の輝き

一 紫式部──世界最古の女流文学を遺す   
二 伊勢──女流歌人の先駆者  
三 小式部内侍──疑いと中傷を跳ね返す   
四 和泉式部──度重なる死別に愛を貫く