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なるほど、ナットク!世界の国旗《60カ国》

健康・実用社会

なるほど、ナットク!世界の国旗《60カ国》

吹浦忠正 著

国際化時代にあって、世界にどんな国々があるかといった知識は必須と言えます。また、世界の国々のことを知れば知るほど、その人の世界は広がっていきます。

その国の成り立ちや文化が詰まった「国旗」を知ることは、国際理解に大いに役立ちます。本書では、世界約200カ国のうち、歴史的に知られた国や大国と呼ばれる国、日本と関係の深い国、特徴のある国旗をもつ国など、60カ国を選んでいます。

国旗研究の第一人者が、国旗を通して国際理解に導きます。

 オリンピックにまつわる面白いエピソード

 本書には各国のオリンピックにまつわるエピソードも入れています。

著者の吹浦忠正氏は、かつて東京オリンピックと長野冬季オリンピックで組織委員をつとめています。
そこで経験した国旗にまつわるエピソードをコラムとして収録しました。

なるほど、ナットク!の構成

出版されている国旗の本のほとんどが地域別の構成ですが、本書では、国旗のデザインの特徴から構成しています。疑問をもって、知って、ナットク!のつくりです。国と国とのつながりも見えてきます。

 

1章 国旗には太陽がいっぱい    

太陽を国旗のモチーフにした国は少なくありませんが、その表現はさまざま。
日本の「日の丸」は英語で“rising- sun flag”と呼ばれ、朝日ですが、ポーランドは夕日です。
また、「日の丸」のように太陽を円で表すものもあれば、半円で表すもの、光線を描いたものもあります。

太陽の色も、赤、黄、オレンジ、白…。太陽を描いている国の特徴とは?

 

2章 ヨーロッパに三色旗が多いのはなぜか

ヨーロッパの国旗には旗を3分割した旗が多く見られます。

では、最初に三色旗を用いたのはどこの国でしょう?
フランス? いえいえ、違います。
しかし、もっとも有名なのはフランスの「トリコロール」ですね。

「トリコロール」はフランス革命の時に掲げられたものですが、19世紀の初めにあいついで独立した中南米諸国の国旗に影響を与えたのもこの旗です。

 

3章 旗の中の絵にはどんな意味がある?  

国旗には、動物や植物や建物などの絵のほか、紋章やしるしを入れたものも少なくありません。
そこには何が描かれているのでしょうか?

星座を描いたのはブラジルで、独立した日の朝の星空(南十字星)を表しています。
じつはオーストラリア、ニュージーランドの国旗にも南十字星が描かれていますが、それらの共通点はなんだと思いますか。こんなふうに共通点や相違点を比べていくことで、各国の歴史に自然と触れることができます。

4章 英国旗や星条旗に似た旗があるのはなぜか

イギリスの国旗「ユニオンジャック」とアメリカの国旗「星条旗」は有名ですが、それに似たデザインの国旗は少なくありません。
「ユニオンジャック」が付いているのは、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー、ツバルなどの国旗。

「星条旗」に似ているのは、チリ、リベリア、キューバ、フィリピンの国旗。
さて、なぜそうなったのか知っていますか?

5章 宗教や国の考えを示した旗   

大きな十字が描かれているのはスイス、ギリシャ、ジャマイカなどですが、十字と言えば何を表すでしょう?

ロシア、セルビア、チェコなどの国旗は白青赤の三色。
とてもよく似ていますが、なぜそうなったのでしょうか。

黄色の星が描かれているのは、中国とベトナム。
ここにもちゃんと意味があります。

イスラム教国の国旗にも共通するものがありますね。
いろいろ比べて、考えてみましょう。

6章 国旗のデザインを変えた国々

1964年の東京オリンピックには94の国と地方が参加しましたが、その後50年あまりのうちに46カ国もの国々が1回以上、国旗を変更しています。
カナダ、ドイツ、タイ、ルワンダもある理由のもと、デザインを変更していますが、その理由には深い訳があるのです。

 

7章 めずらしい形やデザインの国旗

世界の国旗には、共通点のあるものや、もともと同じ国だったことから似たデザインの例もありますが、他と際立った特徴をもつものもあります。
それをまとめてみたのがこの章です。

ウクライナ、パラオ、ラオスは国の美しい風景を色や形で表していると言われますが、デザインの向こうにどんな景色が見えるでしょうか。

国旗を覚えるための工夫

国旗には似たデザインも多く、一度に覚えるのは簡単ではありません。
そこで、こんな工夫をしてみました。

【旗覚え歌】

「自由平等 博愛示す 三色旗(フランス)」
「ベネズエラ 黄青赤に 星8つ」
「イスラムの 発祥の国 旗に聖句(サウジアラビア)」
というように、ゴロで覚えると旗のイメージがスッと入ってきます。

【塗り絵】

読んで知る、だけよりも、色えんぴつで旗を塗ることで、
色やデザインに込められた意味がよく入ってきます。

【吹浦式国旗早覚え法】

著者は小学4年生の時に国旗のデザインに興味を覚え、その後、国旗を学問と実用の両面から研究してきました。
その成果の1つが「吹浦式国旗早覚え法」。目からウロコの国旗早覚え法も掲載!

国旗のデザインが大好きな子供たちにも読めるよう、本文にルビを振っています(小学校高学年から)。

「国旗について知ることから始まって、その国の歴史や現状を知り、何かその国のために役立って欲しいのです」

そう著者は願っています。子供から大人まで、楽しみながら、世界を広げていける本です。

 

著者プロフィール

吹浦 忠正(ふきうら ただまさ)

1941年秋田市生まれ。早稲田大学政経学部卒、同大学院修了。学生時代にオリンピック東京大会組織委専門職員、その後、国際赤十字海外駐在代表、長野冬季五輪組織委儀典担当顧問、埼玉県立大教授、東京財団研究推進担当常務理事などを務める。
現在、評論家、世界の国旗研究協会会長、難民を助ける会特別顧問、社会福祉法人さぽうと21理事長、ユーラシア21研究所理事長、法務省難民審査参与員など。
著書に、『世界の国旗』『国旗ビジュアル大事典』『国旗クイズ図鑑』(以上、学研)、『国旗総覧』(古今書院)、『国旗で読む世界地図』(光文社新書)、『日の丸の履歴書』(文藝春秋)、『赤十字とアンリ・デュナン』(中公新書)、『捕虜たちの日露戦争』(NHK出版)など多数。週刊新潮に2015年元旦号以来「オリンピック・トリビア」を連載中。

『オリンピックエピソード付き なるほど、ナットク! 世界の国旗《60カ国》』

吹浦忠正著 A5判並製 152ページ 定価1300円+税