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blog | 2018.07.02

『三峯神社 開運ビジュアルブック』装幀は気鋭のデザイナー・長坂勇司さん

気鋭のデザイナー

『三峯神社  開運ビジュアルブック』の装幀を引き受けてくださったのは、気鋭のデザイナー・長坂勇司さんです。長坂さんを紹介してくださったのは写真家の山崎エリナさん!

カバーデザインはもちろんのこと、中のレイアウトまでのデザイン、プラス組版までをやってくださいました。

長坂さんは、amazonの神社カテゴリーで半年以上もベストセラー1、2、3位の座にいる『神社ノート』を手がけられたデザイナーさんでもあります。

ニスが厚く塗られているため、それが反射して写真の色がぼやけて見えますが、本物は鮮やかです。

 

本書は、ガイドブックのように情報に重きを置いたものではなく、
美しい写真と文で神社のもつ深い世界に読者をいざなうことを目的とし、
持っているだけで良いことがありそうな、お守りのように大切にされる本をめざしました。

それに応えてくださった長坂さんのデザインはこだわりどころ満載で、ここではその一部をお伝えします。

 

カバー・オビのデザイン案、10点以上!

 

長坂さんは、いつもたくさんのデザイン案を出してくださいます。今回はなんと12パターンでした。上は、その一部です。

 

どれもデザイン的に完成していますね。どれを選んでも構わないというスタンスのようです。

つまり、あとは出版社がどの方向で行くのかという選択の問題なのです。

 

出版社としては、出版の趣旨に一番近いものはどれか?

書店で目立つものは?

読者の食指を動かすものは?

そして、予算的に大丈夫か?というのもわれわれにとっては大事な点で(デザイナーさんは高い紙や珍しい紙を試そうとする傾向にある)、このデザインだったらあの紙、あの加工が必要になると予想しつつ選んでいきます。

 

今回は、すてきなデザインだけれど写真集寄りのものを外し、

神社らしい白にきりりとした文字箔押しのデザイン、

透け感のあるカバーにちらりと見える極彩色の拝殿におめでたい赤のオビ、

そして神社の象徴と言える美しい拝殿を前面に打ち出したデザインの3点に絞り込み、大いに悩みました。

 

最終的には三峯神社のファンの声も取り入れ、直球のデザインを採用しました。

オビを外したらこうなります。

 

隠れたデザイン──表紙

 

カバーデザインを絞り込んだ後は、本文に到達するまでのデザイン、つまり表紙、本トビラ、目次、トビラといったデザインはデザイナーさんにお任せします(うちの場合)。

さて、カバーをはずさないと見えないデザイン、それが表紙デザインです。それをデザイナーさんがどうデザインするのか、私たち編集者の楽しみでもあります。

今は予算を抑えるために、表紙は背文字だけ入れるという本も増えてきましたが、本書の表紙デザインを見たときには思わず「お~」と感動と驚きの声が出ました。

 

御眷属のオオカミが左右に、朱と白は神社のイメージですよね。このオオカミ、どこかで見たような。。。。

三峯神社のファンの方、わかりますか?

 

透け感のある本トビラ

 

カバーから本文に入るトビラの役目を果たすのが本トビラです。

 

このトビラ、本殿と拝殿の間にある御簾のようです。次のページの写真がうっすら見えます。向こうに何があるか分かりますか?

 

こちらは章トビラ。章によって橙色、緑、ピンク、青と色を変えています。

本の中のデザインは、一部掲載していますので、こちらからご覧ください>>>

 

御朱印をいただけるスペース

 

本書には御朱印を押せるページがさりげなく入っています。いちばん後ろのページです。

後ろのページと言っても、本文の一部ではなく、見返しという部分です。

前の見返しは朱色ですが、後ろを御朱印用に白。というのも、当初は、御朱印用の専用紙を一枚挟み込むつもりでしたが、取りやめにした経緯があります。

そこで、見返しに御朱印が押せるようにデザイナーさんが工夫してくださったのです。

御朱印を入れていただいたイメージ

 

装幀家の力

 

本は、装幀家=デザイナーさんによって、全く違ったものになります。

特に、ビジュアル重視の本は、デザイナーさんの貢献度は非常に高いものがあります。

本書のデザインは、著者サイドはもちろんのこと、書店からも高い評価をいただいています。

 

でも長坂さんが本書で最も苦労されたのは写真の色調整ではなかったかと思います。

 

デジタル写真は光の三原色RGBで構成されますが、紙印刷はそれをCMYKの4色に変換しておこなわれますので、色がくすんでしまいます。

昔は印刷所の職人芸だったわけですが、今やその多くがデザイナーの力量によるものとなってきました。

先日三峯神社に参拝した際に、拝殿の極彩色に塗られた彫刻を見上げると、カバーのほうがはるかに鮮やかでした。

細かく調整してくださったデザイナーさんの苦労を偲んだしだいです。

 

ちなみに弊社の本で長坂さんのデザインは、

『日本の死活問題』 詳細はこちらへ>>>

『復興の日本人論』 詳細はこちらへ>>>

『乙女の心得』 詳細はこちらへ>>>

『テロ等準備罪』 詳細はこちらへ>>>

の4点です。どれも素敵で、書店でも目立っていました。うち3点はおかげさまで重版となりました。

 

書店で本を手に取られた際には、ぜひ装幀(ブックデザイン)にも注目してくださいね。

(グッドブックス  良本和惠)

ビジュアルブック三峯神社の詳しい内容は、こちらから>>>

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全国の書店やAmazon、楽天でもご購入できます。

この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。