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blog | 2020.04.15

出版社がやっている原稿の進め方

今日は単行本の原稿の進め方について一つの例をお話しします。

編集者が実際に著者とどのように進めているか、という話です。

 

まずは原稿の全体像を作り上げる

自分が書こうとしている内容が漠然としているという方は、いきなり書き始めるのではなく、全体構想を描きます。そのためには、企画趣旨などを含めて企画書つくりに取り組むことをオススメします。

企画書の書き方は、こちらから>>>

 

文字数を割り出す

企画書の書き方の「章立て」のところに次のように書きました。

 

構成(章立て)が出来たら、今度は、何ページくらいで、1ページにどのくらいの文字数がいいのか想像し、それに近い本を探して、全体の文字数をざっと計算します。

(1ページの文字数を計算して、ページ数をかけます。)

すでに原稿がある方は、何ページぐらいになるか、割り出してみましょう。

 

全体の文字数が決まれば、第一章はどのくらいの文字数を書けば良いか、ざっくりと見えてきます。

 

最初の章を書き始める

だいたいこのぐらいだなと想像できたら、第一章を書き始めてみましょう。一行の文字数も仕上がりのイメージに合わせて書き始めるのをオススメします。ワープロの1ページを本の2ページにするとよいでしょう。

 

つまり、1行が40文字で、1ページ15行ならば、40字×30行にワープロソフトを設定して執筆していきます。執筆しながら、小見出しを付けることが出来れば付けましょう。書き終えて、全体を見ながらでも良いです。

 

原稿を読み返す、人に読んでもらう

一章を書き終えたところで、原稿を読み返します。

言いたいことをきちんと押さえたか、読者が興味を持ってついてこられる流れになっているか、まずは書き手の立場でチェック、次には読者の立場(設定キャラクターの気持ちになって)になってチェックをします。

さらに、身近に対象読者に近い人がいたら、読んでもらうと良いでしょう。

 

上記は、実際に私(編集者)が著者(物書き)との間でおこなっている原稿の進め方です。たぶん最も効率の良い方法なんじゃないかと思います。

対象読者に近い人に読んでもらうのは、大事です。軌道修正は早くやっておいた方がいいからです。私も、一章が出来た段階で著者の原稿をいただいて、感想を述べます。

 

原稿を3つの視点で客観的に見る

最初の章を書いたら、人に読んでもらうだけでなく、自分の原稿を客観的に見ていきます。

【構成面】【内容面】【表現面】の3つの視点を頭に置いて、読み返します。

これは私が著者の大事な原稿を預かりながら、生み出した視点です。

この視点で見ていくと、プロの著者の原稿でも突っ込みどころ満載なんです。

その後、修正を何度も加えて、本は生み出されていくわけです。

なので、最初から推敲された原稿を見せられると、編集者はびっくり!というわけです。

次は、そこを深掘りしますね。

(書籍編集者・グッドブックス編集長 良本和惠)

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この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。