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blog | 2020.04.12

出版社が身を乗り出すような企画書の書き方

持ち込み原稿に欠かせない企画書

出版社に原稿を持ち込む際にぜひ付けてほしいもの。それが企画書です。
企画書とは、この本はどういう本で、どんな人向けのものですよ、筆者はどんな経歴ですから信頼できますよ、というのを簡潔に書いたペーパーです。

企画書の目的は、

「これを本にしたら、売れるかもしれない」

「世の中の人はこういう本を必要としているかも」

「この企画を編集会議に出して検討してみるか」

と、出版社の人に思わせることです。

 

出版社では、編集者が持ち寄った企画を編集会議にかけて検討し、「GO」が出た企画を進めていきます。

一方、皆さんが出版社に持ち込むのは「持ち込み企画」となります。

持ち込み企画の多くは、知り合いの著者からの紹介ですから、まったく縁のなかった新人さんの企画が編集会議を通過するのは、なかなかの難関。それに挑戦するわけですから、企画書は練りに練っておく必要があります。

 

企画書の全体イメージ

まだ、漠然と本を出したいと考えている方は、そのイメージを、本というサイズに落とし込んで企画を考えてみましょう。

すでに原稿を書き始めている方は、あらためて、以下の点を考えて書き出してみましょう。

 

1.タイトルワーク

まず、仮タイトルを付けます。
人がどう思うかとか考えずに、その時いちばんしっくりくる言葉をそこに置きます。

 

2.対象読者の設定

次に、これを読んで喜んでくれる人々はどんな人なのか、年齢層、性別、どんなことを職業にしている人、どんなことに悩んでいる人、どんな性格の人…といった具合にできるだけ具体的にイメージします。まずは一人、できれば三人ぐらいのキャラクターができればいいでしょう。

 

そして、その人たちのために、本の内容を通して自分がやれることを列挙します。
また、その人たちが、この本を読んだ感想を、「○○が良かった」「こんな点で役に立った」「自分もこんな行動を実践してみたくなった」など、想像して書き出してみます。

 

3.企画趣旨

こうした作業を通して、この本は誰の、何のために出す本なのかが見えてきます。これが企画趣旨となります。

 

4.構成立て、章立て

ここまで出来たら、構成が見えてきます。構成とは、起承転結、つまり、章立てです。

導入をどんな内容から書くか、それを受けて、伝えたいことをどう展開するか、締めはどうするか、だいたい、5章から7章あたりを目安にして、第一章○○、第二章○○と、見出しをつけていきます。この作業は、少し時間がかかると思います。

構成(章立て)が出来たら、今度は、何ページくらいで、1ページにどのくらいの文字数がいいのか想像し、それに近い本を探して、全体の文字数をざっと計算します。

(1ページの文字数を計算して、ページ数をかけます。)

すでに原稿がある方は、何ページぐらいになるか、割り出してみましょう。

 

5.類書との差別化

そして、書店に行って、類書を探してみます。

類書と自分の原稿はどう違うのか、どの点がすぐれているのか、役立つ作りになっているか、できるだけ言語化しておきます。

 

それらを踏まえて、企画書作りを行います。

 

・タイトル
・企画趣旨
・対象読者
・構成
・類書との違い
自分のプロフィール(別の項で書きます)

以上の点を1、2枚の用紙にまとめると、企画書の完成です。
この本はだいたい何ページになるかを計算し、書いておきましょう。

 

企画書を書くことは、自分が出したい本がどんな本であるかを客観的に見つめる作業でもあり、
本の全体像を整理する良い機会でもあります。
ぜひ夢に向かって力強い一歩を踏み出してくださいね。

(書籍編集者 良本和惠)

企画書の中のプロフィールの作り方は、こちらから>>>


YouTubeチャンネル(ウータンちゃんねる)では、動画で説明をしていますよ。こちらから>>>


この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。