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blog | 2015.01.17

阪神・淡路大震災の思い出

阪神・淡路大震災から早や20年。
お亡くなりになった6434人の方々に対し、追悼の意を捧げます。

 

夫の両親も神戸の東灘区で被災しました。
命は助かりましたが、割れずに残った食器は湯飲み1個だったそうです。

 

夫は両親の生存を確かめると、すぐに神戸を目指しました。
たくさんの荷物を背負い、最後は自転車で走って。

 

その日の夕方、
私は仕事で赤坂プリンスホテルに国際政治学者の小室直樹先生を訪ねました。
「赤プリ」は小室先生の定宿で、執筆に集中するときに使っておられたのです。

 

打合せを終え、先生の夫人と廊下の腰掛けに座りました。

 

最上階に近いフロアーからは、東京の街が一望でき、
私たちはその向こうの空を見つめていました。

 

いつもは楽しくいろんな話をして下さる夫人が、しみじみとおっしゃいました。

 

「形あるものはいつかは消えていくのね」

 

まさに私がそのとき感じていたことでした。

 

いくら物を所有しても、いつかはなくなってしまう。
私自身が物の所有ということに重きを置かなくなったのは、この時からです。

 

それは私だけではなく、モノからこころへと、
人々の意識が変化していったのもこのあたりからではないかと思います。

(どういうわけか、この日、小室先生が何をおっしゃったかまったく覚えていません)

 

この2カ月後には、オウム真理教による地下鉄サリン事件が発生しています。
20年前のこの時期には、日本人の心を大きく揺るがす出来事が相次いで起きたのですね。

 

ちなみに、いま私はオウム事件関連の出版準備をしており、
本づくりの佳境に入っています。

(書籍編集者 良本和惠)

こうして出来た本が、中島尚志著『オウムはなぜ消滅しないのか』です。詳しい内容は、こちらから>>>

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この記事の作成者:良本和惠(よしもと・かずえ)
書籍編集者。1986年人文社会系の出版社で書籍編集者としてスタート。ビジネス系出版社で書籍部門編集長、雑誌系出版社で月刊誌副編集長をへて独立。2013年夫と共に株式会社グッドブックスを立ち上げる。趣味は草花や樹木を眺めること。